第313章

丹羽光世は「戻ってくる」と分かった時点でそれ以上は話さず、通話を切った。

島宮奈々未は黙ってスマホをポケットにしまい、リンダに尋ねる。

「さっき、どこまで話してたっけ」

「北湖のプロジェクトのところまで」リンダは肩をすくめた。「筋のいい話があるの。上が湖を埋め立てるつもりらしくて、埋め立ての公文書さえ取れれば……確実に儲かるわ」

「……うん。手、考えてみる」

二人はビルを出て、島宮奈々未は自分で運転して去った。

メーターの時刻表示をちらり。ちょうど八時。

その瞬間、まぶたがやけに激しくぴくついた。島宮奈々未はふと思い出し、野呂栞にもう一度電話をかける。

コールが数回鳴ったが、...

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